テーマについて

■次回テーマ「植物をモノクロームで撮る」
光と影、黒の濃淡や諧調だけで表現するモノクロームは、写真表現の基本です。モノクローム作品に慣れることで「光を読む」ことに長けるようになれば、カラーを含めた写真そのものの表現の幅は大きく広がります。
一方で、モノクロームでの表現に向いた被写体、向いていない被写体もあります。本講座ではモノクロームに向いた被写体の見つけかたと、それぞれの被写体にあわせた撮影時の設定や、撮影後の処理について解説します。
植物は、庭や公園、商物園など身近に数多く存在しますし、植木や切り花等を入手すれば、自在に撮影が可能です。と同時に、緑色の濃淡を見せる植物は、モノクローム表現を深めるうえで、もっとも便利な被写体でもあります。
求めるのは、カラーで見ている世界をただモノクロームにしただけの写真ではなく、被写体がもつ造形やパターンの面白さが強調されたり、モノクロームでの諧調やコントラストが強調された写真です。
できれば、参加者のかたがたの作品も鑑賞し、合評できればと思いますが、当面は水口の作例を材料に、撮影時の考えかたや処理の方法をPCの画面を共有しながら、具体的に作品づくりをかんがえていきます。
また後半は、翌月のテーマに即して作品づくりにあたっての考えかたや、便利な撮影機材などを紹介し、参加者のかたがtが実際に撮影しやすい情報を提供します。

Sample 1
青空を背景に立つシラカバの樹。空の青の明度を落とすことで、シラカバの白い幹との対比を強調した例。
Sample 2
室内での撮影。花びらの形状が面白いキクを選んで。ライトの位置を動かしながら、花びらの質感がよく表現される場所に配置。全体に焦点があい精緻に表現されるように深度合成の手法を使用。
Sample 3
曼珠沙華畑で。赤は目には刺激的だが、比較的明度は低く、モノクロームで表現すると沈みぎみになる。赤の要素をより明るくして、花を主役に。
Sample 4
熱帯植物園で、形や模様が異なる複数の植物の葉が多様に組み合わされている場所を選んで撮影。


次回以降の課題テーマ
■異質なもの1点を加えてより豊かに
■影を活かした写真を撮る
■動きを表現する
■ときの流れを表現する
■人の手を撮る。
■人の体の細部をクローズアップで撮りつつ、作品として仕上げる
■台所にあるものから1場面を創る
■水を撮る
■遠近感を強調した写真を撮る
■人物をモノクロームで撮る
■ハイキーな写真を撮る
■ローキーな写真を撮る
■輪郭を強調する写真
■深度合成で作品をつくる
■比喩的な写真を考える
■鏡を被写体のなかにとりこむ
■著名な写真家の作品の習作
■ミニマルアート風の作品を撮る
■超高倍率マクロ撮影
等々